2018年6月 8日 (金)

今年の人工知能学会は、黒豚と焼酎の鹿児島!

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昨年以上の大盛況で、学生さんや若い研究者が多く見受けられます。


人気のセッションでは立つか床に座るという状態で、「一昔前のSiggraph」を思い出しました。

世界の関心ががコンピューターグラフィックスから人工知能にシフトした事が良く分かります。

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などなど考えてながらブログを書いていたら、なんと「トリップAIコンシェルジュ」と書かれたプレートをホテルの部屋で見つけました。


おぉ〜、人工知能学会つながりか???

それとも学会狙いの冗談か?


どちらにしても、「AIがこんな所にまで侵略して来た〜!」と思わずにはいられませんでした。
せっかくなので、AIコンシェルジュ様に恐る恐る今夜のオススメレストランをお伺いしてみることに...

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「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」


とばかりに、AIコンシェルジュに叱られた気分です(笑)


しかし、考えようによってはこのAIコンシェルジュには、沢山のメリットが有ります。


1.顧客の要望データを顧客が入力するので、コストがかからない、

2.日時天候時間などのメタデータを自動的に追加できる。

2.答えの無いデータを足すことで無駄なデータ追加の必要ない。

3.なにより「顧客の知りたい事がダイレクトに聞ける」

今はまだ5才で生意気盛りのAIコンシェルジュさん。

これから毎日24時間、お客様の一番聞きたい事だけを吸い取って、どんどん成長して行く訳ですね。


やるなぁ〜 Shiroyama Hotel Kagoshima...などと考えながら、口いっぱいに脂の旨味が広がる鹿児島名物 黒豚のカツサンドを食べているのでした(^_^)v

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P.S.

ある方面から、「NAB 2018のレポートはどうした?!」と怒られていますが、ご質問の有る方は直接お問い合わせください(笑)

2017年9月13日 (水)

味噌煮込みうどんと人工知能

久しぶりのブログ更新です。

実は今年の春、何となく応募した当社の新規事業が、中小企業庁の”ものづくり補助金”に採択され費用の一部を負担していただける事になりました。


この自社プロジェクトは、「AIなどの最新技術を活用してプロジェクトマネジメントを支援するフレームワークを構築する」ことを目的としています。

文字で書くとカッコイイのですが、簡単に言うと、「今までの複雑で面倒な仕事をもっと楽にできないか?」、しかも「AIやナレッジベースとか今流行のカッコイイ技術に任せてしまおう!」という、なんとも他力本願な発想....(笑)

それはともかく、当社が関わるプロジェクトでは「調査企画、提案、計画、設計、実施制作、運用、改修」など、様々なフェイズがあり、しかも参加者の分野/業種を見ても1つとして同じパターンがありません。
だからこそ「AIで楽をしよう!」と考えた訳ですが... ルールや事例が無いものは、流石のコンピュータ様も学習のしようがありません。様々な議論の結果、履歴データの多い「システムと連携した現場運用フェイズ」でのプロトタイプを構築する事になりました。

先ずはメデタシメデタシ.....だったのか??

最初の数ヶ月は、今までの膨大なプロジェクトデータを引っかき回して、どんな使えるデータがあるかを調べ。
さらにそれから数ヶ月は、「運用支援ワークフローの模索」と「大量のデータをどのような学習モデルでフィルタリングすれば良いか...」に費やしました。

正直言うと、コレが、大きな間違い!

しかもあっという間に夏も終わりに。
思い出したように開いた人口知能学会の聴講ノートには、「何のデータが使えるか?ではなく、何がしたいか?を最初にしっかり決めるべき」...という先人の言葉が大きな文字でメモされていました。


そういえば、これは重要!と、名古屋の山本屋で味噌煮込みうどんを食べながら整理したんだった....(^_^;)_
ところで、山本屋の土鍋に蒸気の穴が無いのは、取り皿として使うためだとか。土鍋の蓋ですら二度も役目があるんだから、履歴データだってなんかあるだろ(笑)

Misonikomi

頭でわかっていても、どうしても議論の中心が利用するデータと実装方法に傾いてしまい、「利用者不在」かつ「ミスコンセプチャル」的なモノになりがちです。
この悪循環から脱出する方法の一つとして、「自社のコンセプチャルスキルの再活用」と「実際に使う人たちと議論を重ねることが大切」という事も再認識しました。

誰のために何をするのか?


コンピューターは解答を出さない無い(出せない) > じゃ支援ってどういう事?
効率化が必要な「作業」と、質の向上/技量の底上げが必要な「仕事」の違いと切り分けは?
人の評価ってどうする?


などなど、基本的な事を再度見直して、全体の構造からやり直しです。
そんな見直しも全てが無駄では無く、データの視覚化による特異点の共有や「思った以上に人的要因が大きい」(人的ミスじゃん)という発見もできました。

そんな事を考えてる間に、秋刀魚が美味しい季節になってしまいました。
そろそろディープラーニング用のGPUテンコ盛りワークステーションが届きます。

P.S.
今回から大先輩の「あさみさだむ」さんに本ブログの挿絵を書いて頂くことになりました。

2017年5月16日 (火)

NAB 2017 4/25 まとめメモ

一番大変で面白い日でした。

(1) High Dynamic Range for HDTV
Hitachi Kokusai Amarica だからか、昨日までと打って変わって日本人が多いです。やっぱり日本人は技術説明への関心が高いのでしょうか?
冒頭で司会者からも「TimelyなSession」という紹介があるありましたが、来る前から楽しみにしていたセッションです。

Top 4 HDRについての上位4つの誤解
 ・HDR is not just part of UHD/4k.
 ・HDR may not change the average picture level(PAPL).
 ・HDR is not a format war. They all accomplish similar things.
 ・HDR is not incompatible with today’s SDR displays.

What is High Dynamic range.
要約すると、「HDRは人間が現実世界を見る視覚システムに近づけるための試み。」という事です。

What is HDR (ITU-R.BT.2020 Standard)
「HDRは、ハイライトやオブジェクトの反射を抑えることができる、大幅に向上した(ピーク)ディスプレイ輝度を提供し、また、暗い領域でより詳細なディテールも提供します。」 「HDRイメージフォーマットは必要に応じて、既存のワークフローやインフラとの互換性をある程度持つ必要があります。」

ここまでは、お約束的な前置きです。

Why High Dynamic Range for HDTV?
世界での平均的なテレビの視認距離は9フィート(3m)。
・4kフル解像度を見るには遠すぎます。
・65吋テレビでの4k/UHD最大視認距離は6フィート。
・平均視認距離9フィートでの4k/UHDテレビサイズは105吋。

なんて分かりやすい説明でしょう(^o^)

余談ですが、SONY BRAVIAの100吋を買おうとすると約80万円程度(笑)

Why High Dynamic Range for HDTV?
9フィートという平均的な視認距離でもHDRは簡単に視聴できる。
・UHDの解像度は辛うじて見える。
・HD-HDR(HDR+ / UHD Liteとも呼ばれる)は、制作ワークフロー、ストレージ、バンド幅が1/4。
・ケーブル、サテライト、OTT, ATSC 3.0での配信が可能。

Improving The Viewing Experience
・4k / UHD  - 空間解像度。より多くの画素
・HFR - 時間解像度。ハイフレームレート
・WCG - Wider Color Gamut : BT.2020, DCI-P3
・HDR - High Dynamic Range

Industry quotes on HD-HDR:
Paul Turner - Telestream、Netflix、YouTube、EBU TR 037などがHD-HDRでの実験やサービスを行っています。

Terminology & Definition
 OETF = OptoElectronic Transfer Function
 EOTF = Electro-Optical Transfer Function
 OOTF = Opto-Optical Transfer Function

Bit allocation in HD-HDR cameras
人間の目はノンリニア感度特性
黒から中間トーンまでの画像領域では高いビット深度が必要

Display Brightness
Nitで表すと
Black Cinema BT.709 HLG & PQ Dolby Vision Theoretical Max
0 nit  50 nit     100 nit    1,000 nit  4,000 nit   10,000 nit
※上記の0から1,000 nitまでで約15 f stops

映画館では真っ黒のプロジェクション環境をコントロール可能。大してテレビの視聴環境は様々なデバイス、部屋の明るさ、チャンネル、シーンによってコントロールが出来ない。つまり、映画とテレビは視聴環境がとても異なる!

この後、”HDR - Links in a Chain”、”BT.2100 Standard for HD & UHD”、””Artistic Intent” and HDR “、SDR vs HDR Comparison”、”Feed HDR & Convert to SDR - via 3D LUT”、などなど、聴き入っていてあっと言うでした。


(2) Evaluation of HDR Video Distortion & Quality in the Context of HEVC Compression
ゴールは消費者の素晴らしいHDR体験。
圧縮とプロセス処理でHDRの繊細で小さなHDRのディテイルが、押しつぶされることを様々なテスト画像とデータで紹介。

(3) The Dynamic Duo – SDR and HDR-Compatible Workflows for Live Production
ライブでのハイコントラストシーンとHDRの必要性に始まって、SDRとの比較、”どうしてネイティブOETFを使うべきか?”、HDR - SDR コンパチブルなライブ・ワークフロー、HDR to SDR変換の比較...などを紹介。
カメラによるグレースケールとWFM画像の説明もあって、分かりやすい内容でした。

(4) SDR to HDR Tone Expansion for Broadcast
HDRとSDR変換時のトーンマッピング、トーンエクスパンションの紹介。
評価基準等が今一つ理解できませんでした。

(5) Signal Converter for Simultaneous Production of UHDTV and HDTV
NHK によるサイマルユースを目的とした、8k/4k/HD( Rec.709の混在(両立)を紹介。HLGからHDへの変換、双方向のγ変換などの話し。
この後でアストロデザインのブースに伺い詳細納得。

(6) Helping Cable Operators Meet the Challenges of Delivering HDR Content to the Home
世の中には沢山の種類のモニターとフォーマットがあって..どうしましょう?という話し。
コンテンツ側だけでも、沢山のHDRコンテンツフォーマット、既存のSDRコンテンツが同じリニアサービスの中にある訳です。
 HDR > (Slog3), (PQ/HDR10), (HLG)
 SDR > (Gamma)

そのような中で、配信事業者は、SDR/HDR それぞれのカスタマーにどうやって高い品質のコンテンツを提供を保証するか?
自分のデバイスにはどのチャンネルを見れば良いのか?、DVRに収録できるのか?1軒の家にHDRとSDRの両方のデバイスがある場合の配信は?..などなど、確かにそうですよね、という内容でした。

(7) Format Conversion Requirements through the HDR Video Production Chain
Color volume illustration > color model of BT.2020 and BT.709
このセッションはちょっと分野が違うかな?という感じで、ここまで来ると半分朦朧としててパスm(_ _)m

これにてNAB 2017の目的は完遂。

詳細が聞きたい方はご連絡ください。.....だいぶ忘れましたが(笑)

NAB 2017 4/24 まとめメモ

(1)Ultra HD Broadcasting Comes of Age

先ずは冒頭、「今後のUHD発展には制作会社や製造会社、民生機器メーカーなど、業界を越えた協力によるEntire eco systemが重要」という話しから始まりました。確かに主導権争いの真っ最中ということは、セッションの顔ぶれを見ても感じられました。

 

UHDと映画産業

・Digital cinema camera はとても広いダイナミックレンジの撮影が可能
・CG VFXもHDRでの制作が可能
・現状のマスターを制作するに十分なHDRリファレンスモニターが必要
・多少の時間を掛ければグレーディングも可能
・下位互換性の限界、仕様互換性の問題がある(VODなどの物理的な)

UHDと放送業界
・新しいカメラ、スイッチャ、DVE等が望まれている
・放送系列では巨額の投資が必要となる
・下位互換性が鍵
・異なるHDRフォーマットの融合が必要

などなど、このセッションでスピーチした放送業界の人達は技術の過去-現在-将来を冷静に見ていて、仕様の共通化/規格化、映画産業との繋がりについての重要性や広がりについて意見交換がされました。

UHD and ATSC 3.0
ATSC 3.0でのVideoおよびAudioについて現状と今後を紹介。
3.0は20+の規格(分科会?)から構成されていて、最終は2017年Q2に最終承認される模様、とかとか。この部分だけでも膨大な量になるためblogでは割愛m(_ _)m

Ultra HD Forum
Phase A
リアルタイムでの番組ストリームのための、エンド・トゥ・エンドのワークフローに焦点。

Phase B
エンド・トゥ・エンドのエコシステムにおける、最先端のUHDパラメータに焦点。例えば、ラウドネス、ダイナミック・メタデータなど。

ディスカッション
1080pでのATSC HDRとWCGについては、とても価値があるという話しから始まって、4k/8k, HDR, WCG, HFR, 解像度は感動の要素で、映画制作社は大型スクリーンへのための解像度、ダイナミックレンジ、WCGに胸を躍らせているなど。

また、フレームレートはコンテンツとコンテンツ制作者によって決められる。(映画制作産業が60Hzなのは、映画が24Hzから始まったから)

HDR採用は投資家の選択肢という要素が大きく、バージョンやカスタマイズなどの課題も残る。
8kについては、如何に8kが素晴らしいか?また、ディスプレイの大きな市場であり、製造側、配信側、制作側でのさらに大きな変化が進む。

などなど、興味深い話しが続きました。

以下3つの配信系セッション。

要点は全て「品質が大切」という事で割愛(笑)

(2) Increasing Effectiveness and Efficiency of ABR Encoding with Advance Video Formats


(3) Compression Techniques for next-Generation Video

(4) The Dynamic Duo – SDR and HDR-Compatible Workflows for Live Production

2017年4月24日 (月)

NAB 2017 Digital Cinema Session 4/23(2日目)まとめ

15分遅刻したので朝イチのオープニングは不参加m(_ _)m


(2) Is Cinephilia Dead Or Is It Just Expanding?

「映画オタクは死ぬのか?ただ発展するのか?」というタイトルのユニークな5人のパネラーによるパネルディスカッション。


例えば、「フィルムは文学でありアートだ」とか


「私の劇場体験はノスタルジーがあるが、新しい世代が育ってくると映画の捉え方が変わってくる。彼らはテレビの方が劇場よりも親しみがありベターと考えている。エンターテイメントはいつも変化している。」とか


「映画はアートか?大衆娯楽か?」に対して「作り手はアートを作りたいのであって、シーンを作りたい訳ではないし、大画面とTV画面ではアートの作り方は違いコミュニケーション方法も違う」とかとか、反面、「映画産業は商業芸術です」「映画の質の条件はストーリー」...と言い切ってみたり。

映画の変革期の中で、もっと刺激的でエンターテイメントなモノを作りたい人や映画、フィルム、シアターを大切にしたい人たちの葛藤など、CinePhillaというだけあって、全員が映画に対しての意識がとても高く、自分たちの発言の中から新しい題材を見つけモデレーターがドライブしていく、とても良い内容のパネルディスカッションでした。


(3)  Movie Security: How you steal it (and then how you stop everyone in the audience from

「カムコーダーを使った青少年アマチュアハッカーから如何に映画を守るか?」から始まって、Healthcare businessを例に病院(患者)の情報をどうやって守るかという例でセキュリティーの重要性を説明。


Health Careとセキュリティーを関連付けると身近な例で分かり易いのかもしれませんが....映画業界への啓蒙ということでナナメに聞いていました。


(4) Future of Cinema Keynote: Jungle Book, Photorealism, and the Bright Future of Filmmaking

Disneyのジャングルブックを例に、Live action 環境から如何にリアルに作るか?を紹介。 映像中心の説明に見入っていたので、実は書くことを覚えていませんm(_ _)m

<Demo Clip 1>
動物の動きを骨格からちゃんと作っていること。アナログ感覚も大切にしていて、ナショジオのフィルムを参考にしたり、カメラのハンドオペレーションの活用を紹介。


<Demo Clip 2>
モーションキャプチャーの紹介


<Demo Clip 3>
代表的なシーンでのモーションキャプチャーとブルーバック撮影の併用例を紹介。

NABというより完全にSiggraphネタです。
私としては、撮影やCGのリアルさ以前に『熊やオオカミが喋るのは不自然だろう!』というツッコミの方が.....m(_ _)m


(5)  Next Generation Cinema: How You Package It - IMF Case Study - Master, Myth, and Mystery


PIXAR制作 CARS 3のCLIPSTERによるIMFの世界展開事例を紹介。
SDR, HD, HDR映像、5.1 7.1 サラウンドなどの技術的な挑戦。44の言語と360種類のサブタイトルで、トータル 3600ものバージョンが存在するコトなど、ちょと驚きです。


マスターの制作は、PIXARが映像を制作し、Disneyがサウンドトラックを追加、サブタイトルは後からということ。また、最終版については、「最終3」「最終4」「最後の最後」「最後の最後の...」,どこも同じで何が何だかという状態に陥るそうで、必要な情報は全てCTOに入れるそうです。

後半はClIPSTERでのDCI, IMF, QC Process, 16bit lossless compresson, up to REC 2020 PQ コンテナ等の紹介。


また、もし5年後10年後に環境(仕様)が変化して、リマスターが必要になった時の為に、バージョン・コントロールで全てを定義することがビジネスと制作の両面で重要という話しにはとても納得でした。



(6)  How You Get Inside It: AR/VR/AI and Deep Learning-The Immersive New Media Landscape and the Solutions Needed to Get Us There


壮大かつチャレンジングな5名によるパネルディスカッション。


落とし所が無いテーマな上にそれぞれのバックグラウンドもゴールも違うから、内容がチグハグで聞いてて疲れました。なので、概要紹介はナシm(_ _)m



(7)  How You See It or How You Don’t: Better In HDR?

モデレーターの乗るハズのフライトがキャンセルとなる遅刻。急遽、昨日UNITEDの話題で客席を沸かせたSMPTE のCo-Chaiman(Dolby) の人が進行。(今日もとても盛り上げてくれました。)

HDRやWCGがテーマですが、仕様や技術的な説明は殆どナシ、前提となる家庭環の技術説明不足、パネラーと来場者の基礎知識の違いによる勘違いも時々感じられるなど、まだまだ発展途中の技術であることが感じられました。


パネラーはSONY Picturesの1名を除いては全員がDolby派閥で、SONYはちょっと可哀想。言い換えるとHDR = PQ =Dolby Visionが当たり前という進行でした(笑)

私の印象では大画面向けの4000:1用に作ったマスターをどうやって家庭用にするのか?という大画面と家庭用についてのマスターに関する話題が多かったように感じました。また、黒が綺麗とか白が明るいとか、優れたグループ体験(劇場の大スクリーン)を実現とか....


興味深かったのは、ACES in DIで、SDI TranceformとRT  rendering tranceformを行っていることや、2017年にNETFLIXと Amazonが共同で家庭用のHDR作品を制作しているという話しでした。未来は?と良いながらも、現状映画産業の先行不安みたいにも聞こるのは私だけでしょうか?

とても楽しみにしていたSession。想像通りというか、HDRについての正解は無くて世界中で試行錯誤・暗中模索だなぁ〜という事が分かっただけでも良しとします。


 最後に、「3D(立体映像)は市場ではニッチなポジションだけど、HDRは違う!」という力強い(根拠の薄い)発言がありました(^_^)v_

ちなみに当初予定のモデレーターは遅れて到着、めでたしめでたしでした。

2017年4月23日 (日)

NAB 2017 Digital Cinema Session 4/22 まとめ

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(1)Next Generation Cinema: How it gets there

The Unintended consequence  of progress


北米のDCP 戦略とヨーロッパの状況。これからのデジタルシネマは誰が(配給会社、制作者、視聴者など)ドライブするのか?..といった話し。
(隣の席でいろいろ有って集中出来ず)


(2) Cloud(y) Technologies in Global

世界規模でのデジタルシネ配信における、コスト、スピード、柔軟性、セキュリティ、容易性について。ワールドワイドになればなるほどタイムゾーンなども含めて複雑になる。また、衛星配信でのマルチキャストや、Kuバンド/Cバンドでのパラボラの規模。プル・モデル配信、OTT配信、ハードディスクでの供給やpeer to peer配信。“QUEB”を例にしたCLOUDでのコンテンツ提供などについて紹介。


(3) How You Capture It: Will Light-field Change the Way of Content Production?

ライト・フィールドとは何ぞやから始まって、ライト・フィールド・プロセッシングやデプス・ベースド・グレーディング、リライティングの例を紹介。
要するに現場に行かなくても背景をちゃんと管理して撮影しておけば綺麗に合成できますよ。というVirtual background手法の紹介です。どちらかというと完全にSiggraph向け内容という印象でした。また、Light field Labのプレゼンが長くて、”What is the virtual production?”の映像が美女と野獣の冒頭で終わったのがとても残念。


(4) Next Generation Cinema: How You See It - Projection & Displays in Cinema


やはり、HDR/WCGに関してはドルビーが2歩も3歩も進んでいるという印象をうけました。(SONYもちゃんとやってますが…)
SD, HD, HDRについてのカラーマッチング実験や、HDR/WCGのリファレンス。さらにはマスタークォリティーについての考察。LGのOLEDとLCDの比較など。本日のセッションの中では一番NABらしくてためになりました。

(5) How We Make It: Diversity in Cinema in 2017
Cinemaの中の多様性について、4名の様々な人種の登壇者によるパネルディスカッション。登壇者や家族が歩んできたストーリーに始まり、映画産業と人種の関係についてのディスカッション。
(時差ボケで記憶が曖昧)


(6) Next Generation Cinema: How You Hear It - Immersive Audio

2年前のNABではNHKの22.2 chを紹介をするなど、世界の技術紹介が多く今年も楽しみにしていました。
が!、残念ながら、今年は技術的な説明は一切無く、パネルディスカッションでお茶を濁された感じ(^_^;)
プレゼン資料の作成は負荷がかかるし、各社のノウハウや他所とのNDAも有るから、受け手が少ないのかもしれませんね

ウケたのは、「ミキシング環境と実際の劇場での聞こえ方の違いをどうするか?」についての中で、基準のシステム環境で何度もレンダーバックする。いろな協力関係のあるスタジオやシアターで視聴するなどなど、解決方法は世界共通力技でした(笑)
会場からのQAもスカスカで、「AR/VRの音はどう考える」に対して「映画はグループ体験だから1人でやるゲームとは違うんだよ…」とか(笑)
ドルビーATMOSの没入感満載の音を2チャンネル….例えばiTuneとヘッドフォンで聞いて立体に出来るようになるのか?とかとか、「やっつけ感満載」のセッションでした(^_^;)_


(7) How They See It: Do Consumers Really Care About Artistic Intent?

本日最後のセッションもパネルディスカッション。
ユナイテッド航空が乗客を無理矢理機内から引きずり出した話で会場が湧いた所で、睡魔と寒さに耐えきれず本日はこれにて撤退。

2016年12月30日 (金)

指先の選挙戦


2000年代に入って多くのものがデジタル化してきた。

買い物、映画、TV番組もボタン一つですぐ手元に届くようになり、
それに伴うマーケティングや広告も大きく形を変えてきた。

選挙運動でも例外ではない。
1920年代ラジオを中心に繰り広げられていた選挙活動はTVに場所を移し、
今はソーシャルメディアが主流になった。

候補者達はただ自分たちの知名度を広めるだけでなく、
いかに自分が”地に足の付いた”人間で、
”有権者と同じような”感覚の、
”親しみやすい”人物であるかを見せる場として、
また有権者とのコミュニケーションツールとしてソーシャルメディアを選んでいる。

今年11月の選挙後、大きく取り上げられているのがメディア、もといソーシャルメディアのあり方だ。

米報道機関の”Politico”では2015年9月の段階で”How Social Media is Ruining Politics(ソーシャルメディアはどのようにして政治を破壊しているか)”という仰々しいタイトルの記事を発表した。
PoliticoのジャーナリストNicholas Carrは、
ソーシャルメディア上ではメッセージが感情的であればあるほど素早く拡散され、また長い時間世間の関心を惹くことが出来るが、しかしそれが行きすぎると扇動政治家のそれになってしまうという。
いわば諸刃の剣だ。
それが良い内容であれ悪い内容であれ、何か爆発的なものをもっている人間が、
これからのソーシャルメディア選挙時代には向いているのだいう。

一方でヒラリー・クリントンやジェブ・ブッシュなど経験のある政治家は、この移り変わりに順応するのに長い時間を要したと指摘している。
波風の立たないような”当たり障りのない”、悪く言えば”bland(つまらない)”な投稿ばかりが目立ち、思ったように話題にならなかったのだ。
しかし選挙メディア媒体の移り変わりにより、候補者が予想外の窮地に陥ることは珍しくないとCarrは言う。

例えば1960年のニクソンとケネディの討論をラジオで聞いた有権者にとって、ニクソンの当選は確実だった。しかしテレビで視聴していた有権者にとっては、ケネディが勝ったように見えたという。
この時のニクソンの敗因は、彼はいまだにラジオの時代にいると思っていたことだ。
彼は、有権者は”彼が何を言うか”を気にしているのであって”彼の立ち居振る舞いや見栄え”に関しては全く感心がないと信じていたのだった。

現代の選挙戦でも同じことが言えるという。
候補者達はいまだにTVの時代にいると信じ、TVを見ている有権者に向けての力強いキャンペーンを展開している。彼らはいまだに、ソーシャルメディアはTVで放送されたことへの”補足”に過ぎないと思っているのだ。
ニュース番組もまた、TV時代に取り残されているとCarrは言う。
その時起きたことを断片的に流し、その瞬間瞬間で話題作りをするソーシャルメディアに対し、ニュース番組はいまだに”時系列に”報道することを良しとしている。
例えソーシャルメディア上であっても彼らは常に時系列に並べて報道しようとするため、
その瞬間の世間の反応やニーズと上手くかみ合っていないという事態が起こるのだ。

その点、次期大統領のトランプは、全く逆だった。
トランプ陣営のデジタルディレクターは、資金集めで一番大きな役割を果たしたのはFacebookであったと述べている。(Lapowsky)
最後の一月、クリントン陣営が2億円もの金額をTV広告につぎ込んだのとは裏腹に、トランプ陣営はその半分も投資しなかったという。
それは彼の陣営がキャンペーン媒体のメインとしてTVではなくオンラインを選んだからだ。
TVとは違い、オンラインでの投稿では人々がどのようなものに興味をもっているのか、即座にフィードバックを貰うことが出来る。それにより、ターゲット層にもっとも適した記事だけを選りすぐって投稿出来るようになるのだ。
トランプの政策や人となりを好きか嫌いかは別にしても、彼のチームのデジタルキャンペーンの巧さには目を見張るものがあるし、これが選挙運動の未来なのだと言わざるを得ないだろう。
(ただし、トランプのツイッターの使い方はかなり雑であり、間違った内容を堂々とツイートしたりしているので決して褒められたものではない。”年寄りに新しいおもちゃを持たせるとこうなる”という感じだろうか・・・)

ついでだから言っておくと、アメリカでは選挙カーなどという非効率で環境にも悪いような悪しき風習はない。

ソーシャルメディアの影響力の大きさが浮き彫りになった今回の選挙を終え、”時代の流れ”だけでは片付けられない様々な問題が残されている。
例えば、コメディアンのJohn Oliverは自身のショーの中でメディアの危険性を訴えた。
極端すぎる偏向報道だけでなく、虚構ニュースの蔓延も問題であると述べた。
今回の選挙では、トランプ、クリントン双方についていくつもの嘘のニュースが書かれ、真偽を確かめない読者によって膨大な数が拡散されたという。
ソーシャルメディアが政治に及ぼす影響は随分と前から懸念されていて、ドイツのメルケル首相はソーシャルメディアサイトがどのようにしてニュースのランク付けをしているのかを明らかにしたいとの考えを表明しているし、アフリカのある国では選挙前にはFacebook, WhatsApp, Twitterの使用を禁止するところもあるというから驚きだ。(Mozur and Scott)
Carrは”ソーシャルメディアはいままでのどのメディアよりも網羅的で支配的である”と述べ、Facebook, Twitter, Googleらのソーシャルメディアはユーザーが受け取るメッセージを規制するだけでなく、ユーザーの反応までもを規制すると指摘した。
ソーシャルメディアの脅威については、あのエドワード・スノーデンも警告している。(Democracy Now!)(Conger)


余談だが、アメリカ国民の政治に対するアプローチは興味深い。
以前もこの記事で書いたように、エンターテイメント色を強く出してくる。
リベラルなコメディアンたちはこぞって政治をネタにし、セレブリティたちは臆することなく自分の政治感を披露する。
それが良いにしろ悪いにしろ裏でお金が動いているにしろ(かどうかはわたしの知るところではないが)、若い層の政治へ対する関心を煽るのには十分だと思う。
(と感じるのはわたしがロサンゼルスというかなりリベラルな土地にいるからというのももちろんあるのだろうけれども)


こうしてソーシャルメディアはニュースソースとしての役割を担い始めたわけだが、
先に述べたようにその姿勢は支配的であり、目に見えないさまざまな制御がある。
例えばFacebookには”Trending”という項目があり、
“人々が話題にしてるとされる”トピックが勝手に、一番目に付くところに表示される。
例えばだが、このトピックたちは本当に話題になっているトピックなのだろうか?
Facebookが流行らせたいトピックを、わざと前面に持ってきているのではないだろうか?
Facebook の創設者マーク・ザッカーバーグは選挙後、”Facebookは選挙結果となんの関係もない”とのコメントを出したが、果たしてそれはどうだろう?
ザッカーバーグ氏は、Facebook上の虚構ニュースはほんの一握りであり、
選挙に影響を及ぼすなんてばかげている(“it is a pretty crazy idea”)とし、Facebookが人々に発言する場を与えられることを誇りに思っていると述べた。

確かに、ソーシャルメディアの登場によって”声を上げること”は昔よりもずっと簡単になったし、ソーシャルメディアで取り沙汰されることによって問題視され、世論が良い方向へ動いた例もある。
しかしFacebookが実際どれくらいの影響力を持っていたかはさておき、わたしを含め読み手は多かれ少なかれバカなのだ。
皆が皆ザッカーバーグ氏が言うような高尚な思いを持って声を上げ、ニュースの拡散をしているわけではないし、高いメディアリテラシーを持ってひとつひとつの記事を丁寧に読んで分別する知識やら倫理道徳があるわけでもないのだ。
ソースの確認も大してせずに、過激なヘッドラインだけを読んで感情的に拡散する人なんてごまんといるだろう。
たいして考えもなく押したLikeボタンやRT(リツイート)が積み重なり、指先ひとつで国の未来が左右される時代になるだなんて、誰が想像しただろう?


ソーシャルメディアでニュースを見つける上で一番気を付けるようにしていることは、必ずソースをチェックすることだ。
それがどんなに良く書かれたヘッドラインや記事であっても、仲良しの友達が拡散していても、だ。これは大学在学中の論文書きやリサーチで学んだソースの識別方法が役に立っていると思う。
インターネットが便利になればなるほど、ユーザーひとりひとりの”メディアリテラシー”が重要になってくるのは、なにもアメリカに限った話ではない。
日本でも、災害が起こるとツイッターではさまざまな噂やデマが飛び交い、それを分別無く拡散されてしまうことが問題になった。
ソースを確認することもなくただ良かれと思って拡散する人や、面白がって完全なデマをまるで本当のことのように投稿する人など、本当に”誰がどこでどういう経緯や意図で”情報を拡散するのかまったくわからない時代なのだ。
また、未成年による”悪ふざけの域を越えた”投稿が物凄い勢いで拡散、非難されたりするのも最近よく目にする。この場合ツイート主の常套句は「こんなことになるなんて思わなかった」である。

そんなことを書いているうちに、米オンラインニュースサイトThe Interceptがアメリカ時間で今日29日、虚偽のニュースについての記事を発行した。
要約すると、
イギリスの大手一般新聞であるThe Guardianのライターが、外部の第三者ジャーナリストとWikiLeaksのジュリアン・アサンジのインタビュー内容を”大幅に湾曲、要約して”使用した上、その誤った情報が支持者によってどんどん拡散され、実際にインタビューをしたというジャーナリストの異議を唱える声には全く耳も傾けられないという状態になったという話だ。

The InterceptのGreenwald氏は、The Guardianは素晴らしいジャーナリズムを見せる力があると述べた上で、Wikileaksについてのこととなると同新聞社とアサンジとの個人的な確執が浮き彫りになってしまうことが今回の騒動の一部であるとした。

また、記事を書いたThe Guardianのライター Ben JacobsとWikiLeaksの間で起きた過去の騒動も引き合いに出し、”WikiLeaksについての記事で正確さや公平さを求めるのなら、Ben Jacobsは最後の人間だ“と述べている。
虚偽のニュースに立ち向かい根絶を目指すには、
"自分の嫌いなものに対しての虚偽のニュースは糾弾するが、自分の好きな(または自分の政治観念をサポートする)ものについては虚偽だとしても認める"
というような選択的な態度を改める必要があるとGreenwald氏は結んだ。

(ちなみにThe Interceptは昨今珍しいほど”真のジャーナリズム”が感じられるニュースサイトだ。エドワード・スノーデンがNSAを内部告発した記事も、このサイトから出たものある。英語が出来る方は是非チェックしてみてほしい。 )



趣味の延長のような位置づけだったソーシャルメディアが、たくさんの人の生活の一部になり、社会の一部になっている。
良くも悪くもたくさんの人が利用しその情報を拡散出来るというのは、今までにないコミュニケーションの方法だ。
Greenwald氏の言うように、例え虚偽のニュースに嫌悪感を持ち、根絶しようと努力をしているつもりでも、自分の意見と一致するそれには甘くなってしまうということだってある。溢れる情報の中から正しいものを選び取る力は、現代社会においてはもはや必要不可欠なサバイバルスキルだ。

これを読んでいる皆さんにとって、ソーシャルメディアは薬だろうか?それとも毒だろうか?




References:

Carr, Nicholas “How Social Media Is Ruining Politics” (Politico)
http://www.politico.com/magazine/story/2015/09/2016-election-social-media-ruining-politics-213104

Conger, Kate “Snowden discusses Facebook’s fake news controversy” (Tech Crunch)
https://techcrunch.com/2016/11/15/snowden-discusses-facebooks-fake-news-controversy/

Greenwald, Glenn “The Guardian’s Summary of Julian Assange’s Interview Went Viral and Was Completely False” (The Intercept)
https://theintercept.com/2016/12/29/the-guardians-summary-of-julian-assanges-interview-went-viral-and-was-completely-false/

Lapowsky, Issie “Here’s How Facebook Actually Won Trump The Presidency” (Wired)
https://www.wired.com/2016/11/facebook-won-trump-election-not-just-fake-news/

Mozur, Paul and Mark Scott “Fake News in U.S. Election? Elsewhere, That’s Nothing New” (The New York Times)
http://www.nytimes.com/2016/11/18/technology/fake-news-on-facebook-in-foreign-elections-thats-not-new.html

“Snowden Warns Facebook Growing Too Powerful” (Democarcy Now!)
https://www.democracynow.org/2016/11/17/headlines/snowden_warns_facebook_growing_too_powerful

2016年11月 2日 (水)

"The Science Behind Pixar" @ California Science Center


ダウンタウンLA近郊、南カリフォルニア大学(USC)のキャンパスからすぐ、
Natural History Museum of Los Angeles (ロサンゼルス郡立自然史博物館)と共に、
Expo Parkと呼ばれる公園の、色とりどりの薔薇が咲き乱れるローズガーデンを抜けた先にどっしりと構えているのが州立の科学館
California Science Center (カリフォルニア・サイエンスセンター)だ。


宇宙から航空機、生態系や人体についての常設展示があり、しかも基本入場料は無料なもんだから、一年を通してたくさんの人が訪れる。
インタラクティブな展示が多いので、いつ来ても小さい子供と家族連れが多い。

そんなサイエンスセンター、2012年にスペースシャトル・エンデバー号を迎え入れた。
ロサンゼルス国際空港に空輸されてきたエンデバー号が、
サイエンスセンターのあるダウンタウンLAまで12マイルの道のりを68時間(!!)かけてやってきた記録もこのエンデバー号の展示の一部だ。
その他にもエンデバー号のタイヤだとかスペースシャトルのトイレだとか、

実際の打ち上げの時の映像だとか、
スペースシャトルについて詳しくない人でもワクワクする展示がてんこ盛り!
1992年の初飛行から25回の飛行を無事終えて2011年に退役したエンデバー号。
かつて日本人宇宙飛行士の毛利さん、若田さん、土井さんもこのシャトルで宇宙へ行っている。
この目の前のスペースシャトルが25回も宇宙行って帰ってきただなんて!!!
大して詳しくもないわたしまでをもなんだか感動させてしまうそんなパワーがある展示である。
いやほんとみんな見に行った方がいいよ・・・夢があるよ・・・わたしもう何度も見に行ったよ・・・!



YouTube: Endeavour’s Homecoming
(この公式ビデオは多分展示で使われているのと同じもの)

Img_0116_2(こちら、エンデバー号の生写真。一枚の画面には収まりきらない!
LA外から来るお客様を連れて行くと大抵みんな感動してくれる)

 

Img_0120(エンデバー号のおしりの部分。God Bless America! どうなる?大統領選!)

 

Img_0119(エンデバー号のおしりその2)


Img_0118(Space Shuttle Main Engine (SSME)
スペースシャトルのエンジンというのは車のそれとは違って、
液体1と液体2を混ぜたり圧縮させたり膨張させたりしてドッカーンてして出力するらしい。何となくはわかる。)


サイエンスセンターでは現在このエンデバー号をメイン展示とした航空宇宙館を建設中で、
今年2016年の5月にはスペースシャトル打ち上げの際に使われる外部燃料タンクも展示品のひとつとしてNASAから寄贈された
旦那氏はこの燃料タンクひとつにも感動してあっちからこっちから眺めていた。
こうなってくるともう我にはわからぬ領域である。


YouTube: ET-94 Transport
この航空宇宙館が完成すると、カリフォルニア・サイエンスセンターは西海岸で一番大きな科学館になるらしい。


この科学館のもう一つの目玉はIMAXシアターだ。

数ヶ月ごとに上映作品が入れ替わり、多くは宇宙とか自然をテーマにした短編映画(だいたいどれも45分程度)が多い。
がっつり子供向けなのかと思いきやそんなことは全然なくて、
ディスカバリーチャンネルのドキュメンタリーのような真面目な仕上がりになっていて、大人でも十分に楽しめる。
3Dもなかなか良く出来ていて、個人的には普通の映画館で観る3D作品よりも好きだ。
つい先日見てきたのは”Journey to Space 3D”という火星着陸プロジェクトについての短編で、わたしは宇宙については素人なのでへーすげえとバカみたいに感心しながら観ていたけど、
宇宙開発オタクの旦那氏は言いたいことがあるようだった。笑


YouTube: Journey to Space 3D

完全に余談だがこのシアター、一本につき45分程度の上映時間なのに普通の映画館のように売店があって、ジュースだのポップコーンだのまで売っている。
(45分ぐらい飲み食いせんで座ってられねーのかとは思わないこともない)


さて、そんなカリフォルニア・サイエンスセンター、
現在”The Science Behind Pixar”と呼ばれる特別展示を行っている。

Pixar映画の”舞台裏”で使われるテクニックや過程をわかりやすく展示にしたものだ。
Science(科学), Technology(テクノロジー), Engineering(エンジニアリング), Mathematics(数学)、それからPixarで使われるコンピューターサイエンスについて、
既存のPixar作品を例に出しながら、実際の制作過程を追うように:

Modeling(キャラクターの造形)
Rigging(キャラクターを動かすための骨組み作り)
Surfaces(質感作り)
Sets and camera(実写映画でいうところのシネマトグラフィー)
Animation
Simulation
Lighting(照明)
Rendering(レンダリング)

と8つのインタラクティブなブースに別れて展示されている。



さてここで・・・
展示の様子の写真、あることにはあるんですが、

デズニー絡みの肖像権云々は何言われるかわからんくて怖いので公式でどうぞ。
http://californiasciencecenter.org/exhibits/the-science-behind-pixar
俺怒られっちまうのはやだよ・・・

“この展示を見て子供達が科学や数学、テクノロジーについてもっと興味を持ってくれることが願い”とカリフォルニア・サイエンスセンター側は言う。
実世界での例えばライティングや骨格構造がどういう仕組みなのかを知ることが、
アニメーション映画を作ることの助けになるという。

また、展示として使われているビデオには、性別はもちろん、様々な民族性を持ったPixar職員が出演している。
これは”どのような人達がどんな風にこの仕事を始め、何に情熱を持っているのかを伝えたかった”というPixar側の意向が込められている。(Los Angeles Times)

“‘An important aspect of the video content was to make sure everybody who sees this exhibit sees people who look like them. It was important to make it clear to kids - and students in particular - that our staff includes people from diverse backgrounds who’ve gotten involved in this collaborative art form.’” (Los Angeles Times)
(このビデオで一番大切だった要素は、この展示を見た人全員が自分に似た人をビデオの中に見つけられることだった。様々なバックグラウンドを持つ人々がこのような共同制作のアート形式に参加していることを子供達に知ってもらうことはとても重要なことなんだよ。)


The Science Behind Pixarは来年2017年の4月9日まで、
カリフォルニア・サイエンスセンターの特別展示場で開催され、その後はアメリカ各地をまわるようです。


Reference:
Solomon, Charles "The California Science Center digs into 'The Science Behind Pixar'" (LA Times)
http://fw.to/cAL6j7Y

2016年10月19日 (水)

"Guillermo del Toro: At Home with Monsters" @ LACMA

LACMA(ロサンゼルス・カウンティ美術館)は、ロサンゼルスの丁度真ん中にある。
映画の都ハリウッドからもそう遠くないこともあってか、
映画に関わる展覧会が開かれることも多い。

かつてスタンリー・キューブリック展やティム・バートン展もここで行われた。



そんなLACMAで今年の8月から行われているのが
“Guillermo del Toro: At Home with Monsters”
メキシコ人映画監督ギレルモ・デル・トロが”Bleak House”と呼ばれる別宅に所有するコレクションを公開したものだ。
フランケンシュタインの大きな顔がお出迎えしてくれるこの”別宅”は、
深紅の壁に大小様々な絵画、フィギュア、おもちゃ、著名人の実物大の彫像などが所狭しと並べられているまるで(可愛らしく言えば)おもちゃ箱のような家だ。
デル・トロがここで自分のイマジネーションを存分に発揮させ仕事をする一方で、
彼の奥様とお嬢さん達は怖がってこの家には近づこうとしないという。

(そんなおどろおどろしいBleak Houseとは裏腹に、デル・トロ本人はとてもチャーミングな顔立ちをしているおっさんである。この人多分絶対良い人。)
そんな彼のオタク部屋、想像力の源を垣間見ることが出来るというのだから、
デル・トロ信者は必見の展覧会だ。


YouTube: Andy Visits Guillermo Del Toro's Bleak House - CONAN on TBS

(こちらはトークショー”Conan”で出演者の一人がBleak Houseを訪れた時のクリップ。
この膨大なコレクションの数々から、LACMAに出展されている。

この動画では紹介されなかったけれども、展示会では映画”Hellboy”での小道具や衣装、
原作コミックの作者Mike Mignolaのナマ原稿なんかもあってわたしはひれ伏した・・・。
デル・トロは赤の使い方が良いがMignolaは黒がとてもいい。Mignolaはいいぞ!!)


わたし自身はデル・トロ監督作品にはそんなに詳しいわけではなく、
Hellboyシリーズと、Pan’s Labyrinth、Pacific Rim を観たぐらいだ。
デル・トロ、さすが好きなだけあって、クリーチャーの造形が毎回ハンパない。
手先が器用、とかそういう言うんじゃなくて、これはもう身も心も捧げたプロの仕事であると同時に根っからのクリーチャー好きの少年が作ってる!!!と(勝手に)感じる。
そんなクリーチャー達も去ることながら、わたしは何よりも彼の色使いが一番好きで、
特にHellboy 2のこのシーン↓の金と赤の使い方が本当に上品で何度観ても最高にうっとりする。


YouTube: Hellboy 2: The Golden Army (3/10) Movie CLIP - Prince Nuada Kills King Balor (2008) HD



今回のLACMAでの展示と同名がつけられた本“Guillermo del Toro: At Home with Monsters”は、
デル・トロのアートやSci-fi、オカルト、ホラー作品に対する情熱、
Freak show (見せ物小屋)からフランケンシュタインに至るまでの”異形の者たち”への愛、
そして映画監督としてデジタル時代に対する思いなどがたっぷり詰まった本で、彼のファンにとってはたまらない内容となっている。
LACMAの展示にも来ている直筆のスケッチブックは、たくさんのイラストや文字でアイディアを書き留めてあるドキドキの宝庫でやべえのなんの。

"書き言葉は読み手の受け取り方によるところがあるけれど、イメージはいつも具体的で、曖昧さを残さない。"(Salvesen 31)

と彼は言う。
思いついたアイディアを忘れないために、彼はスケッチブックにそのままイメージとして書き留めるのだ。そして彼はそれを脚本にする時、"実現できない形容詞は使わない"という。
書き言葉では一見破綻しているような描写でも、スケッチすることで可能になることがたくさんあるのだ。

先に述べた彼の色使い、色彩に対する熱い思いも蕩蕩と語られていた。
特に赤には並々ならぬ情熱がかけられていて、氏曰く

”映画の中でいつも”赤”は重要な役割を持っていて、
今までのどの映画の中でもただの一度も不用意に赤を使ったことはない”

という。


どおりで毎回映えているはずだ。

“Hellboyでの赤は、キャラクターか彼らにまつわる物にしか使われていなくて、
Crimson Peakでの赤は過去の罪や秘密を象徴する色だ。”
(Salvesen 38)


・・・というのを踏まえてもう一度予告編なんかを観てみると今まで見えなかった新たな奥行きが見えるような気がする。


YouTube: Hellboy 2: The Golden Army (2008) Official Trailer #3 - Guillermo del Toro Movie


YouTube: Crimson Peak - Official Theatrical Trailer [HD]

同書の中でデル・トロは
”僕は本当に、このホラーというジャンルをやるために生まれてきたのだと思う。”
と発言している。

そしてこの個人所有の展示品を見せられた日には「せやろな」と思わざるを得ない。
プロのオタクってこういう人のことをいうんだろなー。かっこいいなー!!!!
彼について少し調べるにつれて、わたしまで新しい扉を開けてしまった感、ある。
H.P. Lovecraftの”クトゥルフ神話”。
読むしかないのか。


ギレルモ・デル・トロ展はLACMAで11月27日まで公開中。
(ロサンゼルスはこのぐらいの時期が一番過ごしやすいのでおすすめです)
http://www.lacma.org/guillermo-del-toro#about-the-exhibition

展示がもっと面白くなる本”Guillermo del Toro: At Home with Monsters”はこちら






Reference:
Salvesen, Britt ;Shedden, Jim
"Gillermo del Toro: At Home with Monsters (Inside his films, notebooks, and collections)" 

2016年10月 7日 (金)

甘い話

ハリウッド!!セレブリティ!!!
日本にいるとそんな「アメリカに住む綺麗な人達」の情報ばかり入ってきます。
が、実際アメリカに住んでみて辺りを見回してみるとそんなことはなくて。
アメリカで一番深刻な健康問題の一つとして長年懸念されているのが「肥満」です。
20歳以上大人の場合、健康体は30%ほど、残りの70%は太りすぎ、肥満や”超肥満体”に当たるといいます。
(https://www.niddk.nih.gov/health-information/health-statistics/Pages/overweight-obesity-statistics.aspx )


そして肥満が蔓延すればダイエットも流行します。

 "セレブも実戦している○○ダイエット!"のような触れ込みで、
毎月フィットネス雑誌には違うダイエットが特集されます。
多くの場合、ダイエットをするというと皆カロリーを気にし、
”食べたカロリーと消費したカロリーのバランス”が全てであると信じられてきましたが、

食べた分だけ燃やす、というのがセオリーであるとするのならば、


”六ヶ月の子供の肥満が蔓延しているというのは一体どうやって説明するのか?”



今月紹介するのは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の教授 Dr. Robert Lustigによる糖質の怖さについてのビデオ。
Dr. Lustigは日常生活で口にしている糖質がいかに有毒で、危険で、企業や政府がそれをどうやってひた隠しにして売っているかを物凄くわかりやすく説明しています。

(このブログでは内容をだいぶ端折って紹介しています。英語の出来る方はどうぞ講義の動画を見て下さい。1時間半ぐらいです。)

Sugar: The Bitter Truth
YouTube: Sugar: The Bitter Truth



糖の種類
①グルコース/ Glucose
身体のエネルギーになる糖です。
人間や動物、植物が活動するために必要不可欠です。
そしてこのグルコースと、次に紹介する②、③、④の糖類はまったく違うものなのを覚えておいてください。


②サッカロース / Sucrose

サッカロースは所謂普通のテーブルシュガー。ショ糖です。
成分の50%はフルクトースと呼ばれる糖で出来ています。

③高フルクトース コーンシロップ(High Fructose Corn Syrup)
高フルクトース コーンシロップは普通のテーブルシュガー(sucrose)より甘く、
普通のテーブルシュガーより安いことを理由に、アメリカでは1970年代後半から積極的に使われ始めました。
こちらも、成分の42-55%はフルクトースと呼ばれる糖で出来ています。
高フルクトース コーンシロップの一番の大罪はどんな加工食品にでも紛れ込めることだと教授は言います。
パンからケチャップ、マスタード、クッキーなど、本当に何にでも添加されていて、
私達は日々知らず知らずのうちに摂取しています。
我が家で加工食品を購入する時、一番気にするのもこの添加物で、
スーパーマーケットに行くと意外な加工食品にも含まれていてびっくりすることも珍しくないのです・・・。


④フルクトース/Fructose

所謂”果糖”です。
フルーツに含まれているから何となく健康に良さそうな糖、というイメージが漠然とありますがそれは間違いです。
教授が一番危険視するのもこのフルクトース。
詳細はこの後で説明します。

Relativesweetness_2

















(←糖度のグラフ。普通のテーブルシュガー(sucrose)に比べて、フルクトース(fructose)がいかに甘いのか、すぐにわかる。)



政治的背景
アメリカがなぜこんなに肥満大国、砂糖中毒になってしまったかには政治的背景があります。

①ニクソン大統領が(大統領選で食糧問題を取り上げられないために)食糧を出来る安くすることに専念した

②高フルクトース コーンシロップの登場
実はこのシロップ、60年代の日本で発明されました。
その後1975年にアメリカも取り入れはじめました。

③コレステロールに対する間違った認識によって推奨されはじめた”low-fat(低脂質)”食
低脂質とは裏を返せば high carb(高炭水化物)の食事です。
しかし低脂質の食事というのはとても味気ないもの・・・・・
そこで”おいしさ”を糖分で補うことにしたわけです。
また糖はステーキやクッキーの”焼き色”をつけるのにも一役買っています。
"Browning reaction" と呼ばれるこの反応と同じことがあなたの動脈にも起こっているのですよと教授は言います。現代の加工食品にはその他にも保存期間を長く/ 調理時間を短くする目的で食物繊維の除去などが施されています。
つまり栄養価が低く大して美味しくもないものを糖の添加でごまかすことによって「安くて、早くて、保存も利いて”美味しい”加工食品」を作ることに成功したのです。



フルクトースの大罪
フルーツや野菜からの自然な消費ならば15gm/日であるフルクトースの消費が、
今や72.8gm/日、一日の必要カロリーの15%がフルクトースで摂取されているという報告があります。これは大きな問題です。

なぜならば
a. フルクトースはグルコースの7倍、Browning reactionを発生させる

b. フルクトースは食欲増進ホルモン(グレリン)を抑制しない
グレリンは食欲増進のホルモンです。
食事の前にソーダを飲むと食べ過ぎてしまうのは、ソーダに含まれるフルクトースにはグレリンを抑制する働きがないからです。
ソーダそのものでどれだけカロリーを摂取していても、満腹を感じることがないのです。

c. フルクトースはインスリンの放出を促さない
→インスリンが出ないとレプチン(満腹感を教えるホルモン)も出ない
→レプチンが出ないと脳はまだ飢餓状態だと思う
→結果、食べ過ぎてしまう

フルクトースを大量に、長期的に摂取し続けることはメタボリックシンドロームを発症することにも繋がります。
詳しくは後述にて。

フルクトースの大罪その2
グルコースとフルクトースの大きな違いはその代謝のされ方にあります。

身体に必要不可欠なグルコースは、グルカゴンという形で肝臓に無限に貯蓄されます。
マラソンを走る前に炭水化物を大量摂取するのもこのためです。
グルコースは所謂悪玉コレステロールの生産もしますが、
グルコースと肝臓と膵臓、脳が正常に働きかけあって、正常な食習慣を促します。


一方フルクトース。
フルクトースは肝臓でしか代謝されません。
そして代謝のプロセスが身体に深刻なダメージを与えます。
お酒(エタノール)と同じような方法で代謝されるフルクトースは、
慢性のアルコール中毒と同じ症状、たとえばインスリン抵抗性や脂肪肝、高脂血症などがあります。

痛風や高血圧を引き起こす尿酸も、このプロセスで生まれる老廃物です。
メタボリックシンドロームと呼ばれる症状の数々は、このようにして生まれます。
アルコールは脳で代謝されるのでフラフラしたり呂律が回らなくなったりという「酔っぱらった」症状が飲酒後すぐに出ますが、
肝臓でしか代謝できないフルクトースはそのようなことはありません。
フルクトースの怖さは、長期間摂取された時のダメージの大きさです。
酔っぱらわないだけで、アルコールと同じだけの毒性があるということを知らない人は意外にも多いのです。
http://articles.mercola.com/sites/articles/archive/2012/09/09/ethanol-alcohol-and-fructose.aspx

教授は”身体に良い砂糖入り飲料”なんてものはないと言い切ります。
以前食育についてのブログで紹介した英国人シェフJamie Oliverのスピーチ。
「あなたが与えるチョコレートミルクで、あなたの子供はこれだけの砂糖を摂取しています。
これは児童虐待行為です」
と台車一杯の角砂糖をぶちまけるパフォーマンスと共に力強いスピーチをしました。


YouTube: Teach every child about food | Jamie Oliver



先に挙げた「6ヶ月の子供の肥満の問題」は粉ミルクの成分にあります。
講義内で紹介されたある粉ミルクの 43.2%は固形コーンシロップで、10.3%は砂糖が含まれているというのを信じられますか?
これは決して"全ての粉ミルクが悪い"ということではなくて、成分表示をしっかり見て決めることが大切だということを忘れないで下さい。
早い段階から糖類を与えられた子供は、成長してからも糖類を多く求めるようになります。
子供の肥満が問題になっているのも頷けますね。


クッキー1枚食べるために一日中運動できるか?
運動することが良しとされるのは、カロリーを消費するためではないことを知っておかなくてはなりません。

普通の運動で消費されるカロリーなんて微々たるものです。
運動が身体に良いのは、
①インスリン感受性を上げる
②ストレスの発散、コルチゾルの放出を促す
(ストレスレベルが下がることで食欲も抑制できる)
③フルクトースの解毒、肝臓のインスリン感受性の向上させる

ことが出来るからです。

また食物繊維の摂取は満腹感をもたらし、インスリンの反応をゆるやかにします。
腸を綺麗にする作用がある(=排泄を促す)のも有名です。
つまり、加工食品ばっか食ってねーでてめーで作って食えや、てことですね。



我が家の話
わたしの旦那が1型糖尿病を持っています。

1型糖尿病とは自己免疫疾患の一つとされていて、
血糖値のコントロールを司る膵臓が機能していない状態で、
肥満や食べ過ぎが原因とされる2型糖尿病のそれとは根本的に異なります。
2型が運動や食生活で克服出来る可能性があるのに対して
1型には治療法が(今のところ)全く無く、
まさにこれを書いている最中にFDA(アメリカの食品医薬品局)が人工膵臓システムを承認したニュースが飛び込んできたところでした。(それもまた賛否あるのだけれど)


だから食生活、特に糖類の扱いにはとても気を遣います。
パンやパスタをはじめとする粉モノや米も、うちのキッチンには無し。
野菜も、にんじんやじゃがいもといった糖分の高いものは基本的には使わないし、
フルーツも季節のものをたまに食べるくらいです。
加工食品を買うときも、成分表示を確かめてから買います。
(糖類が添加されている食品の多いこと多いこと・・・)
もちろんインスリンを多く投与すれば粉モノでも何でも食べられるけれども、
必要がなければないに越したことはないのです。
そんな食生活に付き合って、今ではわたしもここ数年糖質制限の生活です。
最初の数週間こそしんどかったけれど、慣れてしまえば何てことはないのです。
変な時間の猛烈な眠気だとか倦怠感が無くなって、すっきりしますよ。

我が家では基本的に、パレオダイエットとケトダイエットの間のような食生活です。
「原始時代に食べられない食材は使わない」が大まかなルールのパレオダイエットでは、
必然的に小麦や米など穀物の使用が出来なくなります。
味気ないのでは?と思うかもしれませんが、そんなことはないですよ。
一度レシピを見てみてください。(英語です)
http://paleoleap.com/paleo-diet-recipes/



おわりに
例えば同じ500キロカロリーでも、新鮮な野菜や肉で作られた食事の500キロカロリーと、
スナック菓子を一袋ぺろりと食べてしまった時の500キロカロリーは違います。

それと同じように、良い脂質、悪い脂質、良い糖質、悪い糖質があります。
グルコースは身体に必要な良い糖質ですが、フルクトースは悪い糖質です。
「自分へのご褒美」と称したそのチョコレートやケーキ、スナック菓子やビール。
本当にご褒美ですか?それとも毒でしょうか?
教授のスピーチを聞いてもまだ食べる勇気はありますか?