« 2016年7月 | メイン | 2016年9月 »

2016年8月

2016年8月31日 (水)

第三回:日本のここがすごい!「アニメ」

先月「ズートピア」を大絶賛してしまったので、今月は日本のアニメも絶賛したくなった。
わたしはそれはもう大変なオタクなので、良いのだ。

わたしの夢は”Gorillaz”みたいな覆面プロジェクトの架空バンドでアニソン歌うことなのだ!

日本のアニメは「クールジャパン」のひとつだ。
アメリカのオタクの夏は、コミケの代わりにANIME EXPOがある。
毎年七月の頭に、LAコンベンションセンターを使って行われる日本のアニメのお祭りだ。
商業ブースはもちろん、コスプレだのアニソンカラオケだの新作アニメのスクリーニングだの監督や声優の方を日本から招いてのパネルディスカッションがあったりするらしい・・・・・・
とここまで書いておいてナンだけれど、恥ずかしながらわたしはまだ行ったことがない。


日本のアニメ、ここ数年はどんどん知名度が広がってきているのか、
「え!こんなところに!」みたいな見かけ方もする。
ドラゴンボールやポケモンなんかは多くの人が知っている。
アメリカでNARUTOやBLEACHが大流行したのは、
前者は忍者や忍術、後者は着物を着て大きな刀をブン回しながら派手に戦うというのが人気の理由だ・・・とその昔アメリカ人のNARUTOオタクが教えてくれた。
アメリカ人の旦那(32)も、高校生ぐらいの頃に"ドラゴンボールZ"や"Hellsing"、"頭文字D"などなどを見ていたという。
オタクの嫁を持つ可哀想な旦那は日本語勉強の一環として”進撃の巨人”だの”Fate/Zero”だの”ルパン三世”だのわんさか見させられて、
ついに去年、ジョジョのせいで「じじい」という単語を覚えた。
しまったやりすぎた。
(それでも一番好きなアニメは"しろくまカフェ"だという)


米大手ストリーミングサイト”NETFLIX”でも、ここ数年で日本のアニメがとても増えた。
日本語音声に英語の字幕、というのが基本仕様だ。
ライセンスの関係なのか、たまに配信作品が入れ替わったりする。

194857_2(こちらはNetflixのアニメのページ。充実してるでしょ?)

また、アメリカには Crunchyroll という日本のアニメのストリーミングサイトもあって、
アニメの他にも、英訳版の漫画やアジア圏のドラマなども配信している。
このサイトの目玉は”simulcast”と呼ばれる有料会員向けのサービスで、
現在進行形で日本でテレビ放映されているアニメが、本国で放送になった一時間後には英語字幕つきでストリーミングされるというから驚きだ。
(無料会員でも日本での放送から一週間遅れ程度で見られる。)
快適なオタクライフここに極まれり。

もちろんスタジオジブリも有名だ。
こちらの紀伊国屋のジブリコーナーで流されている宣材ビデオを熱心に見ているアメリカ人と遭遇することも多々ある。
LA市内の所謂「アート系」の映画館では、
一年に一度は必ずジブリ作品にフィーチャーした週があったりして、
アメリカ人ジブリ多分好き。
めぼしいタイトルはだいたい旦那と見たが、彼は「千と千尋の神隠し」が一番好きだと言う。
あの湯屋の、なんだかよくわからないけどごちゃごちゃしている感じが彼の目にはミステリアスでいいらしい。
また、ジブリ作品はディ●ニー映画などのプリンセスたちとは違って、
ヒロインが力強く自立して描かれているのも良いと言っていた。
わたしはハクが千尋におにぎりを差し出すシーンでいつも涙腺が緩むんだけど、
その気持ちをわかってくれるアメリカ人にはいまだひとりも出会ったことがない。
こいつらジャパニーズライスボールがどれだけ偉大かわかってねーな。
年取るとジブリのストーリーは心に染みて、何見ても涙腺緩むから困る。

ジブリ映画のサントラもまた、とても良いよね・・・
なんというか、しっとりした哀愁が根底にあって、ハリウッドでもちょっとこの雰囲気はないよね・・・
日本に帰りたくなる音色なんだよ・・・いいよね・・・


YouTube: 久石 譲 ピアノの現場は演奏します - あの夏へ (千と千尋の神隠し)


YouTube: Merry Go Round Life (Howl's Moving Castle Theme) - Joe Hisaishi


Anime vs. Cartoon
じゃあアメリカにもアニメあるのか、という話。
アメリカでは一般的に、”アニメ(Anime)”というのは日本製のアニメーションのみを指していることが多く、それ以外の“二次元の動画”には”カートゥーン(Cartoon) “が使われる。
また日本とは違って、二次元モノは子供向けという認識が一般的だ。
日本のアニメがシリアスからコメディまで、さまざまなバラエティに富んでいるのとは対象的に、アメリカのカートゥーンは”人を笑わせる”ことを目的に作られている。だから、大人向けのものでも基本的にシンプルでコメディ色が強いものが多い。

日本でも有名なCartoon Network(CN)は、
午後8時から翌朝6時までAdult Swimというチャンネルに変わる。
この時間帯は、CNの主なターゲット層である7〜15歳が寝静まった後だ。
Adult Swimオリジナルの番組を始め、他局のシンジゲーティッド番組、
日本のアニメなど(進撃の巨人、デュラララ!、攻殻機動隊などなど)を放送している。
性的な含みがあるものや、暴力シーンのあるものはもちろん、
他の作品の(痛烈な)パロディや、なんだこれは!と思うような突飛な番組もある。
日本で言う”大人向けの”アニメは、スリラーやミステリー要素を含んだ難解なものやダークなストーリーのことが多いが、
アメリカでは痛烈な社会風刺や”ブラックユーモア”と呼ばれるようなコメディが一般的だ。
個人的に、アメリカの大人向けカートゥーンというのは、
Jon Stewart, Steven Colbert, John Oliverなどの深夜トークショウの扱いとかなり似ているのではと思う。
(時事問題を取り上げたコメディについて、詳しくは過去の記事で)

アメリカ人の旦那に言わせると、今まで子供向けとしてだけ認知されてきた二次元のキャラクターたちにわざと現実世界の問題や批判をさせることがアメリカの大人向けカートゥーンのやりかたであるという。
その最たるものが先日リリースされた映画”Sausage Party”だ。
“まるで子供向け映画のように可愛らしく擬人化されたソーセージやホットドッグバンが、セックスやバイオレンス、保守的な政治や民族についてのヒューモア”をFワードを織り交ぜながら惜しみなく飛ばしまくる完全にR指定の二次元映画だという。
(http://screenrant.com/sausage-party-adult-animation-history/?view=all)


YouTube: SAUSAGE PARTY Trailer # 2 (Uncensored - Comedy, 2016)

どうする?映画館で見る?それともDVDまで待つ??



以下に紹介するのは、わたしが過去にハマったアメリカンカートゥーンだ。
どれも一話完結(もしくは2話程度)で見られて、前後のエピソードを見ていなくても楽しめる。
また日本のアニメのように原作がないから、
「原作ではこうだったのに!!」と憤るようなこともなくて、良い。笑
その代わり、長いシリーズになってくるとたまに物凄く中だるみしたシーズンがあったりするが、
それはそれでご愛敬なのかも?


Archer


YouTube: Holy Sh*tsnacks! | Season 7 Episode 10 Scene | Archer

ニューヨークの秘密諜報機関のイケメンスパイ、アーチャーと彼の同僚を描いたアクションコメディ。最初の3シーズンぐらいが面白かった。
ラナとアーチャーは結局どうなったんだ。
-----------------


Family Guy


YouTube: FAMILY GUY | Different Worlds from "Road to India" | ANIMATION on FOX

定番。アメリカの中流白人家族を描いた話。
いろいろひどい。
どういうワケか大学の時はこれをみんなして浴びるほど見ていた。
多分若いってこういうことかなと、今になって思う。
-----------------


Futurama


YouTube: THE SIMPSONS | Futurama meets The Simpsons from "Simpsorama" | ANIMATION on FOX

人間と宇宙人が共存する未来の地球の話。
シンプソンズのクリエイターが制作しているけど、話の内容はこっちの方がだいぶ突飛。
(このビデオはシンプソンズとのクロスオーバーの回より)
-----------------


The Simpsons


YouTube: 3 a.m. | The SIMPSONS

押しも押されぬド定番。アメリカ人みんな大好き!(と思う)
日本語吹き替え版で慣れ親しんでいたけど、初めて原語で見たときはその声質が日本語版とまったく同じで本当にびっくりした。
(このビデオは現行の大統領選を皮肉ったもの)



大学在学中、課外授業の一環で”The Simpsons”のスコアの収録に行ったことがある。
その時、作曲家のAlf Clausen氏直々にレクチャーがあった。
毎週、新しいエピソードごとにスコアを書き、オーケストラを雇って、実際に出来上がってきたアニメの映像をレコーディングスタジオで流しながらスコアを収録する。
これはアニメをただ平面の”アニメ”として扱うのではなく、リアルな感情や深みを出したいからだと言っていた。
というのを今ふと思い出した。




おわりに
日本のアニメいいぞー!するつもりがアメリカのカートゥーンもいいぞー!になってしまった。
日本のアニメが「大きい目や長い手足、凄い髪型」などなどをフィーチャーしたキャラクター達のユニークなストーリー展開を売りにする一方で、
アメリカのカートゥーンは比較的現実的な容姿のキャラクター達(それでも喋る犬だとか宇宙人だとかいるけど)が、実際の社会問題を取り上げて風刺をたっぷりお見舞いする。
どちらもそれぞれの良さがある。
これを機にアメリカの”二次元コメディ”に興味を持ってもらえたら是幸いです。


http://www.animenewsnetwork.com/editorial/1998-07-09
http://www.diffen.com/difference/Anime_vs_Cartoon